カレーライフ 竹内 真
- 2021.08.28
富士五湖、アメリカ、インド、沖縄。亡き祖父が作ってくれたカレーのルーツを求めて世界各地を旅することになった若者の冒険記、であると同時に一件のカレー屋の開店を目指して行動する従兄弟たちや旅先で出会った人たちとの波乱万丈の物語。そしてようやく開店となるカレー屋はみんなのベースキャンプとなることができるのだろうか? 本: 「カレーライフ」 竹内 真 ブックカバー: THE NORTH FACE
富士五湖、アメリカ、インド、沖縄。亡き祖父が作ってくれたカレーのルーツを求めて世界各地を旅することになった若者の冒険記、であると同時に一件のカレー屋の開店を目指して行動する従兄弟たちや旅先で出会った人たちとの波乱万丈の物語。そしてようやく開店となるカレー屋はみんなのベースキャンプとなることができるのだろうか? 本: 「カレーライフ」 竹内 真 ブックカバー: THE NORTH FACE
鹿児島の旅の途中に知覧に行くことにした。知覧は特攻隊の基地が置かれていた町であり、特攻隊員をお世話した富屋食堂が戦争の悲劇を語る記念館として残っている。健さんの出演した映画「ホタル」はこの富谷食堂を舞台にした特攻隊員たちを描いた映画。出撃していった若者がどんな気持ちでこの町でこの食堂で時間を過ごしたのかを想像すると映画のシーンと重なって涙が止まらない。知覧は立派な武家屋敷が残る風光明媚な町でもある […]
豆アジが手に入ると素揚げにして粗塩をふりレモンを絞って熱いうちに食べる。これを我が家ではポルトガルと呼んでいる。家族でポルトガルに行ったことのある者は誰もいないのだけれども、何となくポルトガルにはこのようなイメージがあって知らないうちにポルトガルと呼ばれるようになっていた。そのうちポルトガルに詳しい人に出会ったらこれが本当にポルトガルの家庭のテーブルに上がるような料理なのかどうか確かめようと思って […]
二十歳で出征し空爆で左腕を失った漫画家水木しげるさんが語る戦争の悲劇。「人類が不幸になったのは、電気を発明したからかもしれない。夜は妖怪や悪魔が活躍する時間として残しておかなければいけなかったのだ。電気をつけて夜の闇を征服してから、地上は虚しいものになった。」 2018年7月の海の日に水木しげるさんの故郷である鳥取県境港市を訪れた。ゲゲゲの鬼太郎の妖怪たちがたくさん飾られている水木しげるロードのリ […]
ある日僕は何を思ったか水泳を始めてみようと思った。それまでの僕は水泳とは無縁だったし25メートルを泳ぐことも出来なかったのにも関わらず。知り合いの自転車屋さんに来ていた女の人がそんな僕に「私も最初にトライアスロンのレースに申し込んだ時はまだカナヅチでしたよ。25メートル泳げるようになるまでは結構大変ですけど、25メートル泳げたら次の日は400メートル泳げますよ。」とニコニコしながら話してくれた。そ […]
スタン・ゲッツのバンドでベースを弾いていたビル・クロウが集めたジャズメンたちの逸話、秘話、裏話、こぼれ話の数々をまとめた一冊。薬に溺れ金と権力に抵抗を示し音楽と酒だけを愛した数々の巨匠たちにまつわる武勇伝が次々と現れる。ニューヨークを歩いていてカーネギーホールの行き方を尋ねられたら、「練習あるのみ」と答えよう。 本: 「ジャズ・アネクドーツ」 ビル・クロウ 村上春樹訳 和田誠カバー ブックカバー: […]
思い入れのあるもの思い切って処分するための「棺桶」と名付けた箱を作って庭に埋めて葬る手伝いをする雑貨屋。その雑貨の材料を売っているボタン屋。お店の人たちもそこにやってくる人たちもかなり不思議。僕がこのお店に行くことになったら一体何を箱に入れて葬ってもらおうか。忘れてしまいたいことも、思い出したくないことも、たくさんあり過ぎて箱が足らない。 本: 「ビオレタ」 寺地はるな ブックカバー: 河合シャツ
ショート・ショートよりも更に短いショー・ショー、いやショ・ショ、いやいやシ・シ な短編集。「ねにもつタイプ」というタイトルのお話しは出てこないのに、全体として「ねにもつタイプ」が納得できる構成。それぞれのお話しのテーマが違っても、テーマの捉え方が「ねにもつタイプ」なのだ。きっと岸本さんの日常には妖精なのか小人なのかそういう小さな働き者が棲みついて、いろんな出来事を起こしたり言葉となって現れたりする […]
映画を観る前に原作を読んだ。生き方とその終え方について考えさせられるお話しである。舞台は金沢。映画は北陸のどんやりとした雲や激しい雨がとても魅力的に丁寧に表現されていた。金沢の街を歩くと喫茶店の多さに驚く。しかもそれぞれの店舗が個性的。雑貨屋の喫茶店、古道具屋の喫茶店、本屋の喫茶店、マジック喫茶、ブランケット喫茶、ミステリー喫茶・・・・ 一体どれくらいの種類の喫茶店があるのだろうか。ふらりと入った […]
僕の幼い頃、幼稚園や小学校の行事には仕事をしていた母親に代わっていつも祖母が来てくれた。幼稚園の時に一度だけバス遠足に仕事を休んだ母親が来てくれたことがあった。行先は水族館だったのを覚えているが、僕が覚えているのはバスの中で母親と隣通しに座っていた時間のことだけだ。沖縄に帰省をした三日間だけの親子の出来事を暖かく描いた「アンマーとぼくら」を読み終えて、母がまだ元気なうちにあの水族館に母と一緒に行っ […]