やっさもっさ 獅子文六

  • 2022.04.03
やっさもっさ 獅子文六

横浜のあちこちの駅やデパートなどで販売されている崎陽軒のシウマイ。紙紐をほどき箱に被せてある紙を取り除き蓋をめくると、シウマイを含む幾つかのおかずが決められたレイアウトで現れるシウマイ弁当。横浜で生まれ育った人なら目をつぶってでもどこに何が入っているのかわかるのではないかと思われるような不動のレイアウト。もちろん主力商品はシウマイ。そのシュウマイの包み紙でラップされている文庫本が書店の店頭に並んでいて目が釘付けになってしまった。そこで、その本を更に「特製シウマイ」の包装紙で包み込み少しだけ特別感を出してみた。「やっさもっさ」は戦後の横浜を獅子文六さんが描いた話で、当時の横浜に住む外国人と横浜市民のやっさもっさを窺い知ることができる。崎陽軒の操業は1908年(明治41年)。あのシウマイ弁当のレイアウトはいつから決まっているのだろう。

本: 「やっさもっさ」 獅子文六
ブックカバー: 崎陽軒「特製シウマイ」