青春デンデケデケデケ 芦原すなお

  • 2022.08.28
青春デンデケデケデケ 芦原すなお

僕の通っていた高校の裏にはお城のある山があった。高校の裏に山があるということは、その山で青春の匂いのする様々な行為が行われるということである。良い香りのしそうな行為もあれば、臭そうな匂いが漂う行為もある。運動部はトレーニングという名目で山に行く。音楽活動の練習も山が舞台。男子生徒と女子生徒が仲良くなって行くのは山の裏の方。体育祭の応援団の練習も山。授業をさぼってタバコを吸いに行くのも山。桜が咲いたら山へ。雪が降っても山へ。お腹が空いたら山へ。怒りで身体が震えたら山へ。きっと誰にも自分だけの青春デンデケデケデケがある。

本: 「青春デンデケデケデケ」 芦原すなお
ブックカバー: 奥越菓庵 やまうち