リーチ先生 原田マハ
- 2019.07.04
- 本
日本をこよなく愛し日英両国の芸術の発展に功績を残したバーナード・リーチが、柳宗悦、濱田庄司、河井寛次郎たちと友好を深めた明治から大正の実話を織り交ぜてフィクションに仕立てた小説。
バーナード・リーチは昭和に入って陶芸の指導で鳥取を訪れています。鳥取の医師である吉田璋也が柳宗悦を師として仰いでいたことから、バーナード・リーチは濱田庄司と共に鳥取を訪れたとされています。吉田璋也がつくった鳥取民藝美術館に行くと当時のバーナード・リーチと柳宗悦や濱田庄司や河合寛次郎との仕事を見ることが出来ます。鳥取を訪れた際に足を運んでみました。鳥取民藝美術館ももちろん素晴らしい空間でしたが、民藝美術館周辺に点在している市民ギャラリーのようなところで開催されている地元の皆様の民藝作品の質がどれもこれも物凄く高いことに驚きました。バーナード・リーチの功績はこういうところにまで及んでいるのだと実感できました。空間と時間を越えて、人の想いが繋がっているのですね。鳥取民藝美術館にある「たくみ割烹」では、バーナード・リーチも好んで食べたとされるカレーを頂くことができます。鳥取県は一人当たりのカレーの消費量が日本一だそうです。
本: 「リーチ先生」原田マハ
ブックカバー :旅する、千年、六古窯