木になった亜紗 今村夏子
- 2023.12.30
- 本
「あひる」を読んだ時から、こういう発想をする今村夏子さんは一体どういう方なのだろう?と不思議に思っていた。「木になった亜紗」を読んでますますこの不思議が大きくなった。ところが、あとがきに、日記を人に読まれなくするためにビーフシチューに漬けてから処分をすると書かれてあり、全てが納得できた。それくらいのことを思いつかない人でないと、このようなお話を書くことはできないだろう。そう言えば、小学生の時に給食のクリームシチューをどうしても食べることができず、でも給食を残すということをプライドが許さず、ランドセルの中に教科書と一緒にクリームシチューを投げ込んで家に帰ったという友人がいる。彼なら今村夏子さんと同じ発想ができるのかもしれない。
本: 「木になった亜紗」 今村夏子
ブックカバー: House
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