家族終了 酒井順子
- 2022.06.05
- 本
長い歴史の中で人口が爆発的に増えた期間がほんの一瞬だけあった。その期間の終わりにあたるのが現代である。日本の平民がお墓を作るようになったのは明治に入ってからのこと。先祖代々の墓となっているが、実は二代か三代が入っているに過ぎない。それなのにお墓をどうやって継いでゆくのか等、家族内のしがらみやそれによる親族間の揉め事が絶えない。私たちが今生きている時代の風習や規則はずっと昔からあるものではなく、明治以降や戦後になって出来たものばかり。そういう側面から社会を眺めると、これからの日本はある意味で明治以前の状態に戻ってゆくのかもしれない。家族の在り方について考えさせられる。そして大きく同意できる。
本: 「家族終了」 酒井順子
ブックカバー: 無印良品
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