ヒルクライマー 高千穂遥
- 2019.07.09
- 本
自転車で坂道を上るヒルクライムレース。偶然にそのレースを見てしまったがために、翌週からヒルクライムにのめりこんでしまい、家族関係に問題を作ってしまうまでに至った中年の男。長距離陸上界の将来を期待されていたのに、駅伝に興味がなく大学を中退してしまい、偶然に兄の友人から譲り受けたロードバイクが機でヒルクライムを始めることになった若者。キャバクラで働きながらヒルクライムを続けている女子。オリンピックを目指しているアスリート。カリスマ美容師。ちょっと有名なアニメーター。団体競技のチームであれば基本となる所属団体があるので、チームメンバーにも何らかの共通点やベースがある。しかし、練習環境を求めてきた個人の集まりである自転車のクラブチームとなると、チームメイトと言えども職業も家庭環境も競技歴もレベルも何もかもバラバラ。チームメイトでも無かったら友達になることなど絶対に有り得ない大人たちが、週に何度も集まって何かを目指す。これは決して小説の中の話だけではなく、実際にアマチュアのクラブチームでも本当にその通り。だから面白い!だから熱い!だから止められない!
本: 「ヒルクライマー」高千穂遥
ブックカバー: Rapha ツール・ド・フランス パブリックビューイング
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