花まんま 朱川湊人
- 2022.02.23
- 本
小学生の低学年の頃に市の火葬場が作られた。それ以前はどこの村にも三昧(さんまい)があって、亡くなった人の火葬に使われていた。子供の頃は家の二階の窓からも田んぼの中の三昧が見えたし、親戚の家の近くにも三昧があった。暗くなって帰るときは三昧の横を通るのが怖くて怖くてあっちを向いて一気に走りすぎたものだ。昔は人が死ぬということが普段の生活のすぐ近くにあった。それが原因かどうかはわからないが、奇妙な出来事や不思議な風景に出合うこともよくあった。朱川湊人さんの「花まんま」はそういったミステリアスな出来事をノスタルジックに綴った一冊。お話しのあちこちに散りばめられた社会的問題も大切なこと。
本: 「花まんま」 朱川湊人
ブックカバー: passage mignon
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