普段着の住宅術 中村好文

  • 2023.02.19
普段着の住宅術 中村好文

建築家の中村好文さんの展覧会で中村さんとお話をする機会があった。物腰の柔らかいお人柄が中村さんの設計する建物にも現れていて、僕は中村さんと中村さんの作る建物のファンになってしまった。それから何年も経て、松山市にある中村さんが設計した伊丹十三記念館を訪れる機会があり、中村さんの作った建物に実際に触れることができた。中村さんの作る建物は見た目にも心地よい感じがするが、やはり触ってみるとその心地よさが本当に伝わってくる。そしてその見た目といい、触れた感じといい、まるで石のような存在である。その場所にずっとあって、角がなくなって、丸くなって、手のひらにすっぽりと包み込まれる大きさになった、そのような石である。

本: 「普段着の住宅術」 中村好文
ブックカバー: かさましこ