ボックス 百田尚樹
- 2019.06.29
- 本
僕は格闘技をやったことは無い。やろうと思ったことも無い。これから先もやらないと思う。もっと言うと興味が無い。痛いのが嫌だ。幼い頃からずっと、これからもずっと。柔道もやりたくない。畳はゴロゴロするためのものだ。相撲もやりたくない。裸で土の上に叩きつけられるなんて考えただけで御免だ。レスリングも嫌。にらまれるだけでも怖い。空手。瓦を割って何が楽しいんだろう。その中でも特に、敵と殴り合いをやってその過程を人に見せるボクシングなんていうのは、そもそもやる人の気も知れない。そんなスポーツが存在すること自体、全く理解できない。減量までして殴られて、鼻血出して、両目もオイワさんみたいに腫れあがって、そこまでして殴られて、勝とうが負けようが、どっちでもいい。ゴングが鳴ったらさっさと逃げて家に帰ろう。
とずっと思っていた。「ボックス」を読むまでは。 今は、少しだけ考えてみても良い。考えるだけなら。
本: 「ボックス」百田尚樹
ブックカバー: ブラックサンダー 黒い雷神
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