ぼくには数字が風景に見える ダニエル・タメット

  • 2022.04.19
ぼくには数字が風景に見える ダニエル・タメット

ダニエル・タメットさんはサヴァン症候群とアスペルガー症候群のふたつの発達障害をもつ人である。ダニエルは円周率の小数点以下22,000桁以上を暗記し、10の言語を話すことができる。どうやら自分は人と違っているようだと気が付いた幼年期からのダニエルが、いかにして社会と上手に接することができるように考えて生きてきたかを綴った本である。しかし、本を読んでみると僕自身にも思い当たる節が色々とある。例えば、幼い頃の僕は自分の本棚にある本が大きさの順に並んでいないと気持ちが悪かったし、トランプを片付ける時には裏側の絵の上下が全て揃っていないと気持ちがざわついた。サヴァン症候群やアスペルガー症候群の人とそうではない人がいるのではなく、誰もが発達障害の要素を持っていてその質やレベルが人それぞれ違うだけなのではないかと思う。隣の人同士少しずつ違う。みんな似ているところもあれば違っているところもある。同じことなんて一つもない。

本:「ぼくには数字が風景に見える」 ダニエル・タメット