杉田 昌隆

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まぼろしのパン屋 松宮宏

  • 2021.04.18

これは少し不思議なパン屋の幸せを分けてもらえるお話。では僕の好きなパン屋さん「かまどの火」を。千葉県鴨川市の金束。内房からも外房からも同じくらいの距離なので、ちょうど房総半島のど真ん中。車が一台ようやく通れるくらいの山道。細い道はガードレールなんていうものはなく道を外してしまうと転落。街灯もなく暗くなると動物もうろうろ。そんな山道をどんどんと登って行く。本当にこんなところにパン屋があるのかと途中で […]

美味礼讃 海老沢泰久

  • 2021.03.28

大阪に暮らしていた時、料理学校の先生と一緒に料理を作ることができる体験イベントが時々新聞の広告欄に掲載されていた。料理界の東大と言われる辻あべの調理師専門学校の大人版体験入学で、何度か応募して参加したことがあった。先生は料理の手順を説明する際に必ずその理由を説明してくれた。材料の物理的特性を考えた切り方、調味料を加える順番と化学反応の関係、材料の熱の伝わり方と収縮について。深い理論で裏付けされてい […]

さざなみのよる 木皿泉

  • 2021.03.22

一富士二鷹三茄子。富士山の見えるスーパーを営む鷹子の妹を中心に繰り広げられる家族の愛のドラマ。人の命ってどんどん繋がっている。生きているか死んでいるのかは別の話。桜が咲く度にまた読もう。 本: 「さざなみのよる」木皿泉 ブックカバー: 伊藤園

ぼくは朝日 朝倉かすみ

  • 2021.03.21

朝日くんは小学校四年生、小樽に暮らしている。朝に生まれたから朝日と名付けられた。ある日のこと黒猫を差し上げますという張り紙を見つけて夢中になってしまう。朝日くんは黒猫を飼うことを許してもらえるのだろうか。朝日くんに飼われる猫は幸せだろうな。なんせ子どもの気持ちも大人の気持ちもよくわかる朝日くんのことだから、きっと猫の気持ちもわかるはず。そう言えば、小樽に住む僕の友人も猫を飼っていると話していたよう […]

三人屋 原田ひ香

  • 2021.03.21

面倒なことはいつも私に・・・ 嫌なことはいつも僕に・・・ そう思っていても実は周りのみんなに知らないうちに支えられ助けられていることもあるのかも。そしていつかそのことに気付く日がやってくるのかも。三人屋は、朝日・まひる・夜月の三姉妹がそれぞれ朝と昼と夜を切り盛りする商店街の店。僕の住む町にも是非。一日三回毎日通ってしまう。 本: 「三人屋」 原田ひ香 ブックカバー: 鳥と卵の専門店「鳥玉」

おらおらでひとりいぐも 若竹千佐子

  • 2021.03.07

考古学が趣味の年老いた桃子さんが自分の歩んできた人生を考古学するお話。十年一昔と言われることを考えると、人が老いてゆくということは七つも八つもの昔からの歴史を歩むということである。ひとりひとりの生き方が立派な考古学である。桃子さん、お元気で長生きしてください。 本: 「おらおらでひとりいぐも」 佐竹千佐子 ブックカバー: MAMMUT

ミ・ト・ン 小川糸

  • 2021.02.13

バルト三国のひとつラトビア。人々は大切な人や行事のためにミトンを編む。お嫁に行くときもたくさんのミトンを編んで持っていく。お葬式にも特別なミトンを編む。ソ連に占領されていた約半世紀の間、自分たちの歌を歌うことも踊ることも民族衣装を着ることも許されなかった。けれどミトンを編むことだけは咎められなかった。ミ・ト・ンは、この国に生まれた女の子マリカの一生をミトンを通じて描いたおとぎ話のような少し不思議な […]

庭 小山田浩子

  • 2021.02.10

僕の実家は二度の引っ越しをして、現在の家は三件目である。小さい頃に住んでいた家の裏庭にはぐみの木があって周りにはよくヘビがいた。塀の向こう側では近所のホルモン屋が二匹の山羊を飼っていた。中学生の時に四方を田んぼに囲まれた家に引っ越しをした。高校を卒業するまで住んだけれどもどんな庭だったのか全く記憶に無い。覚えているのは夏の夜に田んぼのカエルが一斉に鳴き出しそれはそれはにぎやかだったこと。そして暮ら […]

マスク 菊地寛

  • 2021.02.08

首都圏に二回目の緊急事態宣言が発令された時、約100年前に世界を襲ったスペイン風邪をめぐる小説「マスク」を読んでいた。そしてその数日後に今度はスペインのお客様から職場に海外宅急便で荷物が届いていた。中身はなんと「マスク」。マスクのシンクロニシティ。 スペイン風邪が流行した100年前は第一次世界大戦の最中。世界的に感染が流行したパンデミック型のウイルス感染症だが、戦況に影響することを恐れて各国は自国 […]

近いはずの人 小野寺史宜

  • 2021.01.30

突然の事故で亡くなった妻の携帯電話に残る謎のメッセージ。8って何者? 8って男?女? 8は妻を愛していたのか? 妻は8を愛していたのか? 妻は僕を愛していたのか? そして僕は妻を愛していたのだろうか? 本: 「近いはずの人」 小野寺文宜 ブックカバー: HACHI (仙台)

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