はい、泳げません 高橋 秀実
- 2021.07.11
ある日僕は何を思ったか水泳を始めてみようと思った。それまでの僕は水泳とは無縁だったし25メートルを泳ぐことも出来なかったのにも関わらず。知り合いの自転車屋さんに来ていた女の人がそんな僕に「私も最初にトライアスロンのレースに申し込んだ時はまだカナヅチでしたよ。25メートル泳げるようになるまでは結構大変ですけど、25メートル泳げたら次の日は400メートル泳げますよ。」とニコニコしながら話してくれた。そ […]
ある日僕は何を思ったか水泳を始めてみようと思った。それまでの僕は水泳とは無縁だったし25メートルを泳ぐことも出来なかったのにも関わらず。知り合いの自転車屋さんに来ていた女の人がそんな僕に「私も最初にトライアスロンのレースに申し込んだ時はまだカナヅチでしたよ。25メートル泳げるようになるまでは結構大変ですけど、25メートル泳げたら次の日は400メートル泳げますよ。」とニコニコしながら話してくれた。そ […]
スタン・ゲッツのバンドでベースを弾いていたビル・クロウが集めたジャズメンたちの逸話、秘話、裏話、こぼれ話の数々をまとめた一冊。薬に溺れ金と権力に抵抗を示し音楽と酒だけを愛した数々の巨匠たちにまつわる武勇伝が次々と現れる。ニューヨークを歩いていてカーネギーホールの行き方を尋ねられたら、「練習あるのみ」と答えよう。 本: 「ジャズ・アネクドーツ」 ビル・クロウ 村上春樹訳 和田誠カバー ブックカバー: […]
思い入れのあるもの思い切って処分するための「棺桶」と名付けた箱を作って庭に埋めて葬る手伝いをする雑貨屋。その雑貨の材料を売っているボタン屋。お店の人たちもそこにやってくる人たちもかなり不思議。僕がこのお店に行くことになったら一体何を箱に入れて葬ってもらおうか。忘れてしまいたいことも、思い出したくないことも、たくさんあり過ぎて箱が足らない。 本: 「ビオレタ」 寺地はるな ブックカバー: 河合シャツ
ショート・ショートよりも更に短いショー・ショー、いやショ・ショ、いやいやシ・シ な短編集。「ねにもつタイプ」というタイトルのお話しは出てこないのに、全体として「ねにもつタイプ」が納得できる構成。それぞれのお話しのテーマが違っても、テーマの捉え方が「ねにもつタイプ」なのだ。きっと岸本さんの日常には妖精なのか小人なのかそういう小さな働き者が棲みついて、いろんな出来事を起こしたり言葉となって現れたりする […]
映画を観る前に原作を読んだ。生き方とその終え方について考えさせられるお話しである。舞台は金沢。映画は北陸のどんやりとした雲や激しい雨がとても魅力的に丁寧に表現されていた。金沢の街を歩くと喫茶店の多さに驚く。しかもそれぞれの店舗が個性的。雑貨屋の喫茶店、古道具屋の喫茶店、本屋の喫茶店、マジック喫茶、ブランケット喫茶、ミステリー喫茶・・・・ 一体どれくらいの種類の喫茶店があるのだろうか。ふらりと入った […]
僕の幼い頃、幼稚園や小学校の行事には仕事をしていた母親に代わっていつも祖母が来てくれた。幼稚園の時に一度だけバス遠足に仕事を休んだ母親が来てくれたことがあった。行先は水族館だったのを覚えているが、僕が覚えているのはバスの中で母親と隣通しに座っていた時間のことだけだ。沖縄に帰省をした三日間だけの親子の出来事を暖かく描いた「アンマーとぼくら」を読み終えて、母がまだ元気なうちにあの水族館に母と一緒に行っ […]
僕の生まれ育った町はテレビで放送される民法が二局しかなかったせいで、「ザ・ベストテン」を見ることができなかった。高校三年生の秋、友達の家でセブンスターをふかしながら時間を潰していた時のこと。友達が「なあ東京の大学受けに行かんか?」と言い出した。驚いた。なんせ自分の知ってる人の中で東京に行ったことのある人間なんて誰もいない。「あほか、俺らこんな勉強しとらんのに東京の大学なんて受かるわけないやろ。」す […]
随分と大変な本を読んでしまった。イラストレーターでありグラフィックデザイナーである和田誠さんが施した本の装丁についての記録。和田さんは依頼を受けると必ずゲラを読み、装丁の構想を描き、イラストを描きあるいは調達し、レタリングをつくり、レイアウトし、インクを指定し、紙質や厚さを確認し、帯の取り外し前後でどう変わるのかも考えて一冊の本を装丁する。シリーズものなら並べて置いたときにどう見えるのかも考える。 […]
「佐渡はさつまいもをふたつ並べてくくったような形をしています。今いる場所はさつまいもが西側でひっついているところ。明日の朝6時にここをスタートして北側のさつまいもの海岸線を南側のさつまいもと東側でひっついているところまで行ってください。ここで仮眠を取るかそのまま進むかを選択して、南側のさつまいももぐるっと廻って明々後日の朝6時までに今いるここまで戻ってきてください。距離は208キロです。仮眠所以外 […]
倉本さんが富良野に暮らしだしてからの日々の出来事を綴ったエッセイ。この時期に出合った人たちやエピソードであの「北の国から」が作られている。登場人物は皆さん実在の富良野の人たち。お食事処「くまげら」で普段から酒を酌み交わしていた人たちなのだ。心に沁みるシーンがたくさんあったドラマだったけれども、ラーメン屋で五郎さんが怒鳴るシーンは本当に涙が止まらなかった。 (この本は富良野のお食事処「くまげら」で買 […]