2022年6月

北京の台所、東京の台所 ウー・ウェン

  • 2022.06.26

中国の食卓の楽しさを日本で教えているウー・ウェンさんの料理教室に行った。食を通じて、中国と日本の共通点や違いを理解することが出来てとても楽しい。中国では水道から出てくる水を綺麗とは考えていないので、油を使って食材に熱を通す料理法が発達した。精進料理も中国では油を使って調理される。精進料理の考え方は大陸から伝わったものだが、調理方法は全く異なる。そんな中国の精進料理を食べさせてくれるお寺が京都にある […]

津軽百年食堂 森沢明夫

  • 2022.06.18

日本全国47都道府県のうち行ったことの無い都道府県が、遂に青森県だけの状態になった。それから先に青森県を訪れる機会になかなか恵まれず、何年も経過してしまった。そしてある年に少し長い休暇を取れることになったので、迷うことなく青森県に行くことにした。東京駅から新幹線で新潟に行き、新潟から酒田へ日本海に沿って在来線の観光列車「きらきらうえつ」に乗って北上し酒田へ。秋田で一泊し、翌朝にまたもや観光列車「リ […]

家族終了 酒井順子

  • 2022.06.05

長い歴史の中で人口が爆発的に増えた期間がほんの一瞬だけあった。その期間の終わりにあたるのが現代である。日本の平民がお墓を作るようになったのは明治に入ってからのこと。先祖代々の墓となっているが、実は二代か三代が入っているに過ぎない。それなのにお墓をどうやって継いでゆくのか等、家族内のしがらみやそれによる親族間の揉め事が絶えない。私たちが今生きている時代の風習や規則はずっと昔からあるものではなく、明治 […]

しろいろの街の、その骨の体温の 村田沙耶香

  • 2022.06.04

無邪気で、弱くて、残酷で、怖いもの知らずで、勝気で、尖っていて、臆病で、正直で、ひねくれていて、そういう小学生の気持ちがほんの少しだけ大人に向かって変わってゆく段階が描かれている一冊。大人になると忘れてしまうけれど、子どもの頃には誰しもが持っていたそういう複雑な気持ちを思い出す。 本: 「しろいろの街の、その骨の体温の」 村田沙耶香 ブックカバー: 白松がモナカ