最長片道切符の旅 宮脇俊三
- 2020.04.11
JRの路線から終点で行き止まりになってしまういわゆる盲腸線を除外していくと、一筆書きでひたすら長い片道乗車券を作ることができる。どうやら乗り鉄の間では、どのルートが最長になるかという情報も飛び交っているらしい。その切符を買いに来る客はいくらお客様といえどかなり面倒な対応をされるらしい。その一筆書きの片道切符、中国と四国が橋で繋がってからは一筆書きで四国には入れなくなってしまったようで、昭和の時代か […]
JRの路線から終点で行き止まりになってしまういわゆる盲腸線を除外していくと、一筆書きでひたすら長い片道乗車券を作ることができる。どうやら乗り鉄の間では、どのルートが最長になるかという情報も飛び交っているらしい。その切符を買いに来る客はいくらお客様といえどかなり面倒な対応をされるらしい。その一筆書きの片道切符、中国と四国が橋で繋がってからは一筆書きで四国には入れなくなってしまったようで、昭和の時代か […]
差別や偏見といった人間の理不尽さの中で生きていく人の葛藤や喜びを描いた小説。ドリアン助川さんの原作もそれを美しい映像で表現した河瀨直美さんの映画もどちらも大好きな作品。樹木希林さんの演技が素晴らしい映画は何度も観て何度も泣いた。涙が乾く前にエンディングロールが終了となり劇場で困る映画。春になり桜が咲くと何度でも読みたくなる小説。 「どら焼きいかがですか!」 本: 「あん」 ドリアン助川 ブックカバ […]
明治の時代に太平洋で座礁した船の乗組員十六人が助けの船に発見されるまでの約一年間を無人島で暮らした実話を基にした話。日本版「十五少年漂流記」。無人島には、炊事場、井戸、見張りやぐら の他に運動不足解消目的の土俵やも作られ、薪となる流木を確保するルートも発見された。更に学習やアザラシ観察の規則なども自主的に作られ、もはや無人島ではなく立派な文明社会である。不謹慎だが、この島で暮らしてみたいと思った。 […]
五十五年もの年月を隔てて、人と人が繋がっていく。人と人が繋がっていくことで、全く希望を持てなかった日々が少しずつ前を向いていける時間へと変わっていく。生きるって凄いこと。生きている全ての人へエールを送るお話。 本: 「世界中の青空をあつめて」 中村航 ブックカバー: 2020東京オリンピック聖火ランナー 募集広告
那覇の国際通りの繁華街の喧騒から離れた安里のディープな街にある琉球料理と泡盛のお店「うりずん」。カウンターに座ってお酒が出てきたところで、隣のおじさんに「かんぱーい」と声をかけられた。四方山話をたくさん語ってくれた後に「じゃあ三線弾くよ」と言って店の壁にかけてある三線で島唄を数曲唄ってくれた。その後、反対側の隣にイタリア人がやってきた。三線のおじさんとイタリア人はお互いが勝手に自分の言葉で話しなが […]
子供の頃、ぼくはジャノメチョウが怖かった。同じ形なのにモンシロチョウもアゲハチョウも綺麗だと思えたけど、ジャノメチョウは羽に付いた目でにらまれるから怖かった。あんな恐ろしい表情の虫は他にはいない。大人になってからジャノメチョウを見たことが無いが、それは住んでいる場所が違うからだろうか、それともジャノメチョウは子供にしか見えないのだろうか。今度見ることがあったら羽に穴が開くくらいしっかりと観察してや […]
「春を背負って」は小さな山小屋の四季を通した人間模様を描いたお話。積雪の期間に閉鎖していた山小屋を開けるために春になると山小屋のスタッフは春を背負って山を登ってくる。そしてその山小屋を訪れる人たちもそれぞれ何かを背負った人生を歩んでいる。人は夢を追いかけて何かを背負いこみ、欲を出してまた何かを背負いこむ。そして時々は背負ったものを降ろしに山にやって来る。春は全ての人にとって待ち遠しい季節である。 […]
インドでは数多くのカレーのレシピが存在するという。暑い南部では身体を冷やすスパイスが好まれ、寒い北部では身体を温めるスパイスが好まれる。地域によって食材が異なる。カーストによって食べるものや食べてはいけない食材も異なる。宗教によっても食べれるものに制限がある。これらの数だけカレーの種類も異なるので、結果的には数えきれないカレーの種類が存在するらしい。僕はジパングという地域のイエというカーストのカレ […]
不要になったものをそれを必要な人に見つけてもらう場を提供するのがリサイクルショップ。古いものに希少性や歴史的価値あるいは芸術的価値を与えることでそのものの魅力を最大限に引き出し取引を行うのが骨董屋。人の思いや気持ちの詰まった道具を買い取ることでその人が気持ちの整理をすることをほんの少し手助けするのが古道具屋。中野さんの古道具屋、いい仕事します。そしてそのお店で働く皆さんが大好きです。 本: 「古道 […]
僕にとっては、学校の音楽の先生というのは少しミステリアスで知的で、ちょっと親しくなりたいのだけれども近づいてはいけないような不思議な存在でした。ピアノも弾けるし、短調とか長調とかなんだかよく理解できない難しいことを知っているし、生まれも育ちも自分とは全然違う上流の人なのだろうと思わせる雰囲気がありました。音楽の先生というのは大抵そのような存在なのではないかと思います。 このお話の中の音楽の先生もと […]